全 情 報

ID番号 10106
事件名 労働基準法違反被告事件
いわゆる事件名 カフェー「みつわ」事件
争点
事案概要  女子年少者を福祉に有害な「酒席に侍する業務」に就かせたとして起訴された事例。
参照法条 労働基準法62条2項
労働基準法119条1号
体系項目 年少者(刑事) / 未成年者の危険有害業務
裁判年月日 1959年1月9日
裁判所名 青森家弘前支
裁判形式 判決
事件番号
裁判結果 無罪
出典 家裁月報11巻2号128頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔年少者-未成年者の危険有害業務〕
 被告人は昭和三十一年十一月頃から肩書住居においてカフエー「A」を経営しているものであるが、昭和三十二年十二月下旬から翌三十三年二月二十四日頃迄の間雇人のB(昭和十五年三月二十七日生)を同女は満十八歳に満たない者であつて酒席に侍する業務に就労せしめることはできないのに拘らず、これを知り乍ら同所において年少者の福祉に有害なる客の酒席に侍する業務に就労させたものである。
 (中略)
 なお本件公訴事実中、被告人は昭和三十三年二月四日頃から同月二十四日頃までの間満十八歳にみたない雇人C(昭和十七年三月十七日生)を被告人の経営しているカフエー「A」において客の酒席に侍らせたとの事実については被告人においてCを客の酒席に侍らせるに当り同女が満十八歳に満たない者であることの認識があることが犯意の成立要件であると解するところ、検察官提出の提出の証拠を以てしては被告人に右の認識があつたことを認定することはできず他に右事実を認めるに足る証拠のない本件においては結局犯罪の証明がないことに帰し刑事訴訟法第三百三十六条により被告人は無罪たるを免れない。