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ID番号 10178
事件名
いわゆる事件名 鉄道塗装工業事件
争点
事案概要  満一八歳以上の女子を雇入れて鉄橋上における作業に従事させたことが、女子年少者労働基準規則の「高さ五メートル以上の吊足場又は棒はりの上における業務その他これに準ずる業務」にあたるか否かが争われた事例。
参照法条 労働基準法62条1項(旧63条1項)
体系項目 女性労働者(刑事) / 女性の危険有害業務 / 女性一般
裁判年月日 1953年3月17日
裁判所名 京都地
裁判形式 判決
事件番号
裁判結果
出典
審級関係
評釈論文
判決理由 〔女性労働者-女性の危険有害業務-女性一般〕
 被告人Y1株式会社は鉄道橋梁及び建築物その他一般塗装工事の請負並に之に附帯する一切の業務を行う法人で日本国有鉄道その他との間に右に関する工事の請負契約を結んで塗装工事を営業として行つているものであり、被告人Y2は右会社に工員として雇われ、作業現場の監督員として事業主である右会社のため当該事業の労務者に関する事項についてその作業現場に関するものに限り一切の責任を負う地位にあるものであるが労働基準法に基く昭和二十二年労働省令第八号女子年少者労働基準規則によれば満十八才以上の女子を高さ五米以上の吊足場若くは棒はりの上又はこれに準ずる高所における業務に就かせることができないことになつているのに拘らず右会社の業務のため法定の除外事由なくして昭和二十六年十二月初頃京都府綾部市内に於て右会社が日本国有鉄道から請負つた国鉄舞鶴線下由良川橋梁の塗装塗替工事の現場である河床から高さ五米以上で且つ吊足場若しくは棒はりの上に準ずる高所である同橋梁鉄桁の上において就労させるためかような労働については全く経験のない満十八才以上の女子である綾部市(略)A外五名を雇入れ同年十二月七日前記現場に於てペイント剥離作業に従事させ(中略)法律に照すと被告人Y1株式会社の労働基準法違反の点は同法第六十三条第二、第三、第四項、第百十九条、第百二十一条第一項、女子年少者労働基準規則第十四条第十号(新第九条)、第十三条第四号(新第八号第二十四号)に該る。