全 情 報

ID番号 10234
事件名
いわゆる事件名 共栄亭事件
争点
事案概要  労働者の所持金や外出着、シュミーズ等をとりあげて逃亡を防止しその後一週間にわたり客席に出て客の相手をさせたことが強制労働にあたるか否かが争われた事例。
参照法条 労働基準法5条
体系項目 労基法総則(刑事) / 強制労働
裁判年月日 1950年5月29日
裁判所名 水戸地
裁判形式 判決
事件番号
裁判結果
出典
審級関係
評釈論文
判決理由 〔労基法総則-強制労働〕
 被告人Y1は昭和二十二年七月頃から水戸市(略)においてAという屋号のもとに特殊喫茶店を経営していたもので主として婦女子を客席に侍らして客に娯楽を得せしめる接客業の事業主であり、被告人Y2は被告人Y1の夫で右事業の経営を担当し、婦女子との契約並びにその監督等労働者に関する事項につき事業主である妻Y1のために行為する者であり、又Bは昭和二十二年十一月頃から名目上は客席に侍り得た収入を四分六分の割で配分する約の下に被告人Y1方に寄寓していたもので、その実質は従来のいわゆる酌婦と異ることなく同被告人の前記事業に使用され歩合による賃金を支払われていたものであるが、被告人両名はBが昭和二十三年六月初頃の深夜午前二時頃被告人等の客あしらいが悪く、そのため客が減り又は客から叱責されたこと等の故に被告人方を厭い同所を逃げ出し近隣に住むCに連れ戻された際、同女に対し、交々「お前はおしやべりでどうのこうの云うから店の女がいなくなる。しらばくれてひつぱたかれるな。泊り客がいるからねろ」等と言つて叱りつけ、所持金、化粧道具をとりあげ、その後同月七日頃迄の間女中を監視につけ又三晩位就寝時に外出着、シュミーズをとりあげて逃走を防ぎその間一週間位同女をして已むなく客をとらしめて以て被告人両名共同して右Bの精神又は身体の自由を不当に拘束する手段により、その意思に反して労働を強制したものである。