ID番号 | : | 00001 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 京都市職員組合連合会事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 市職員の服務につき一週実働四八時間に延長する旨の市長の訓令(就業規則)が労基法一条二項、八九条、九〇条に違反して無効であることを理由として、従前の勤務規程によるべきことを命ずる仮処分を申請した事例。(申請却下) |
参照法条 | : | 労働基準法1条2項,89条,90条 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 労働条件の原則 就業規則(民事) / 意見聴取 就業規則(民事) / 就業規則の届出 |
裁判年月日 | : | 1949年4月9日 |
裁判所名 | : | 京都地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和24年 (ヨ) 39 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集3号167頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労基法の基本原則―労働条件の原則〕 労基法第一条はこの基準を理由として労働条件を低下させることを禁じている。従って若し本件就業規則が之に該当するときは無効となること、申請組合主張の通りである。而し本件就業規則によって労働条件が低下したのは決して基準法の基準を理由として低下させたのではない、蓋し本年一月一日より人事院規則一五―〇に基き国家公務員に対し一週実働四十八時間制が実施されたのは昭和二十三年十二月十九日附連合国最高司令官の内閣総理大臣宛書簡に基く日本経済再建の要請に即応せしめんとする措置であり、国家公務員に対し四十八時間制が実施せられる以上、地方公務員も亦公共の信託に応ずる為にも四十八時間制に服することが当然の責務であるとの見解の下に、四十八時間制を採用する趣旨の本件就業規則を作成したのであること周知の通りであるからである。 〔就業規則―意見聴取〕 次に基準法九十条は就業規則の作成につき労働組合の意見を聞かねばならぬとしている。此の規定も就業規則の効力要件であるかどうか疑問であるが、仮にそうであるとしても被申請市提出の疏乙第一号証によると、此の意見を聞いたことにつき一応の疏明があるから、此の手続は履践されているものと云うべく此の点からも本件就業規則の効力を争うことは出来ない。 〔就業規則―就業規則の届出〕 次に基準法八十九条は就業規則は届出を要することを規定し、被申請市に於て之を為していないことは之を自認しているが、此の届出は固より就業規則の効力要件ではないから之を以て本件就業規則無効の理由と為すを得ないこと当然である。 |