ID番号 | : | 00006 |
事件名 | : | 地位保全並びに立入妨害禁止仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 北海道炭鑛汽船事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 共産党員もしくはその同調者であることを理由とする解雇につき、地位保全並びに立入妨害禁止仮処分申請を却下した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法3条 日本国憲法14条 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 均等待遇 / 信条と均等待遇(レッドパージなど) |
裁判年月日 | : | 1950年12月7日 |
裁判所名 | : | 札幌地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和25年 (ヨ) 125 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労経速報13号 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 右書簡は、公共的性質を有し、秩序の維持と公共の福祉に重要な関係を有する部門から共産主義者又はその同調者を排除しなければならない、との法則を示すものであり、たゞその運用をその部門の運営の責任者の自主的判断にゆだねたもの、と解するのを相当とする。そして、被申請人等会社の営む石炭の採掘及び販売の事業はすべての産業の基礎をなしており、秩序の維持と公共の福祉に重大な関係を有する公共的企業であることは多言を要しないところである。従って、このような企業から共産主義者又はその同調者を排除すべきことは、その経営者に対し連合国軍最高司令官によって法的義務とされているのである。而して現在日本国は連合国軍の占領下にあり、連合国軍最高司令官の命ずるところは一切の国内法に優先するのであるから、被申請人会社は、憲法、労働基準法その他一切の国内法規及び就業規則等に拘束されず、何等の手続を要しないでその使用する共産主義者又はその同調者を解雇する権利義務を有するのである。 さて、被解雇者等が共産主義者又はその同調者であることは前記認定のとおりであるから、本件解雇の有効であることは勿論であって、解雇にあたって被解雇者各人について企業の運営を阻害する等の行為をし、あるいはそのおそれのあることを具体的に明示する必要はなく、その明示の有無によってその効力に影響をうけるものではない。 |