ID番号 | : | 00011 |
事件名 | : | 解雇無効確認請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 八幡製鉄事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 共産党員に対する解雇につき、思想信条にもとづくもので無効との主張に対して、具体的な義務違反を理由とするもので労働基準法三条等に違反しないとされた事例。 |
参照法条 | : | 日本国憲法14条 労働基準法3条 民法90条 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 均等待遇 / 信条と均等待遇(レッドパージなど) |
裁判年月日 | : | 1954年6月19日 |
裁判所名 | : | 福岡地小倉支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和28年 (ワ) 423 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集5巻3号243頁/労経速報154・155合併号16頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 従って雇傭関係に於ける使用者は、其の雇傭する従業員の内心の思想信条の如何のみによって之を解雇する等の不利益な処置を取る事は許されないが、或目的達成の為にする其の思想信条の表現又は是等に基く行動が使用者の権利を現実に侵害し、又は使用者に対する義務に現実に違背し、或は使用者の権利を現実に侵す危険若くは使用者に対する義務に現実に違反する危険が明白に存する場合は、たとえそれが一定の思想信条より発した言動であったとしても、使用者が憲法の精神及社会生活上の通念に照らし客観的にも相当と認められる処置を講ずる事は何等憲法第十四条、同第十九条、労働基準法第三条、民法第九十条に違反する事もない。 然るに之を本件について観るに前示被告会社の右原告等に対する解雇通告は右原告等が従業員としての義務に違背し、使用者の権利を侵害する為に之を防衛する必要上為されたものであって、単に原告等の思想信条自体を理由に解雇したものではないと認められるから原告等の右主張は失当である。 |