ID番号 | : | 00014 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 紡機製造事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 作業能率の阻害等を理由とする解雇につき、共産主義者であることを理由とするもので労働基準法三条に違反し無効であるとして、効力停止の仮処分申請を認容した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法3条 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 均等待遇 / 信条と均等待遇(レッドパージなど) |
裁判年月日 | : | 1954年11月5日 |
裁判所名 | : | 神戸地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和29年 (ヨ) 478 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集5巻6号785頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 四、職場秩序の破壊について 証人Aの証言によれば、申請人は同年八月十三日始業時刻たる七時四十分より約四十分間に亘り、鍛造工場工員を集め、被申請人主張の如き内容の演説をしその間作業を放棄せしめたこと、右工員等は同日昼食時申請人の受けた退職勧告につき協議し午後の就業時刻に至るも解散せず、約二、三十分作業に就かなかったことが疎明せられる。しかし被申請人会社がその前日には既に申請人が任意退職の勧告に応じなければ解雇することを決定していたことは証人Bの証言によりこれを窺うことができる。 従って本件解雇の原因が申請人の右行為の責任を問うものでなかったことは明らかである。 以上のように解雇事由を検討してみてもいずれも本件解雇の決定的な原因をなすものと納得しうる理由なく、従って申請人が共産主義者なるがために解雇せられたものとの前記推測を覆すことができない。 すると本件解雇は信条による差別待遇たることに帰し、労働基準法第三条に違反し無効と謂わなければならない。 |