ID番号 | : | 00017 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 紡機製造事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 人員整理を理由とする解雇につき、信条による差別的取扱で無効とし、効力停止の仮処分申請を認容した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法3条 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 均等待遇 / 信条と均等待遇(レッドパージなど) |
裁判年月日 | : | 1956年7月20日 |
裁判所名 | : | 神戸地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和30年 (ヨ) 377 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働民例集7巻4号838頁/時報95号24頁/労経速報224号2頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 日本法学23巻1号152頁/労働経済旬報401号24頁 |
判決理由 | : | 成程従業員を解雇することは本来使用者の自由に属し如何なる整理基準を設け種々の要件をどの様に考慮するかについては相当の裁量権を持っているが、右一連の事実に対比してみるとき、会社の本件解雇の理由とするところは前段認定の通りであり、その程度は軽微であり、かつ第一次解雇の発表に誘発されたとみざるをえないものもあるから、特にこれをとりあげて解雇の理由とするためには他の非解雇者と比べて債権者の行為を特に重視して人員整理の該当者として解雇するのが相当と認められるような特別の事情のない限り使用者として通常解雇の理由とするものとは首肯するわけにいかない。 ところでそのような特別の事情を認めるに足る証拠のない本件においては会社が債権者を解雇したのは人員整理に名をかりているけれども、真実は債権者が共産主義者であることを理由とするものであるとみるのが相当である。そうであるから本件解雇は信条による差別的取扱いで労働基準法第三条に反し無効であるといわねばならない。 |