ID番号 |
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00018 |
事件名 |
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仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 |
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川崎重工業事件 |
争点 |
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事案概要 |
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レッドパージと労働基準法三条違反が争点となった事例。 |
参照法条 |
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労働基準法3条 |
体系項目 |
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労基法の基本原則(民事) / 均等待遇 / 信条と均等待遇(レッドパージなど) |
裁判年月日 |
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1957年9月20日 |
裁判所名 |
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神戸地 |
裁判形式 |
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判決 |
事件番号 |
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昭和31年 (ヨ) 29 |
裁判結果 |
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出典 |
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労働民例集8巻5号578頁/労経速報264・265合併号2頁/労働法令通信10巻41号1頁 |
審級関係 |
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評釈論文 |
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季刊労働法27号130頁/労働研究120号2頁 |
判決理由 |
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(二)連合国最高司令官の内閣総理大臣あて昭和二五年七月一八日附、アカハタ及びその後継紙並びに同類紙の無期限発行停止に関する書簡を契機として、同年の夏から秋にかけて、報道機関を皮切りに、電気産業、鉄鋼、石炭、造船その他の全国各種重要産業と目される企業体や一部官公庁が、次々と日本共産党員及びその同調者をその職場から追放したことは、公知の事実であり、この一連の追放措置が、通常レッド・パージと呼ばれるところのものである。そして債務者会社がわが国屈指の大造船工場設備を有する会社であることは、一般によく知られているところであり、同会社が本件債権者等を含むその従業員一〇五名に対して行った一斉整理が、もっぱら日本共産党員乃至その同調者と認められた者を対象としてなされたものであって、やはり右レッド・パージの系列に属することは、当事者間に争がない〔五、二七〕。しかし、日本共産党は、当時にあっても合法政党としてその存在を公認されていたし、日本国憲法第一四条は、すべて国民が法の下に平等であることを宣言し、その精神を受けて労働基準法第三条も、使用者が労働者の信条を理由として解雇を含む労働条件について差別的取扱をすることを禁止しているのであるから、当時全国の各企業や一部官公庁が、単に同党員又はその同調者であることだけの理由をもってその従業員を解雇したとすれば、これらの国内法規の見地だけからしてこれを是認することができない。 |