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ID番号 00022
事件名 解雇無効確認請求事件
いわゆる事件名 朝日新聞社事件
争点
事案概要  共産主義者またはその同調者であることを理由とする解雇の効力が争われた事例。
参照法条 労働基準法3条
体系項目 労基法の基本原則(民事) / 均等待遇 / 信条と均等待遇(レッドパージなど)
裁判年月日 1958年6月5日
裁判所名 最高一小
裁判形式 判決
事件番号 昭和30年 (オ) 758 
裁判結果 棄却
出典 裁判集民32号75頁
審級関係
評釈論文
判決理由  所論昭和二五年七月一八日付連合国最高司令官マックアーサー元帥書簡による指令が、日本国憲法外において法律的効力を有し、牴触する限りにおいて憲法その他の国内法規の適用を排除するものであることは、所論のとおりである。しかし、前記マ書簡は、具体的に人を指名してその解雇を命令したものとは認められない。また、本件において、マ元帥またはその部下が、具体的に人を指名してその解雇を命令したこと、および右指令履行のために指令該当者の具体的判断を同司令官の補助機関としてすることを上告会社に一任したことは、本件事実審において認めないところである。当時連合国の日本管理は、原則として間接管理の方式をとり、たといマ元帥の指令に関する事項であっても、本件のように解雇すべき指令該当者の具体的指定は、事業者の責任における自主的判断によってなさるべきであるが、その解雇につき当事者間に争の存する場合には、日本の裁判所の裁判によって決せらるべきものといわなければならない、すなわち、マ書簡には、単に抽象的に「共産党員とその支持者」を排除すべき旨が示されているに過ぎないのであるから、指令該当者として解雇された者が、共産党員又はその支持者でないことを理由として解雇の効力を争う場合には、当然日本の裁判所の裁判によってその争訟は決定さるべきものである(判例集六巻四号三九二頁参照)。上告会社が、マ書簡による指令の具体的該当者の判断をマ元帥又はその部下の補助機関としてすることを一任されたという所論前提は、本件事実審の認定に副わないものであり、また同指令の趣旨を誤解したものといわざるを得ない。したがって、この前提の下に述べられた論旨は、採ることを得ない。