ID番号 | : | 00026 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 日本事務器事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 勤務怠慢、会社の経営方針に対する批判、業務命令違反等を理由に解雇されたものが、地位保全の仮処分を申請した事例。(申請認容) |
参照法条 | : | 労働基準法3条,90条 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 均等待遇 / 信条と均等待遇(レッドパージなど) 就業規則(民事) / 意見聴取 |
裁判年月日 | : | 1960年5月30日 |
裁判所名 | : | 福岡地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和34年 (ヨ) 212 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集11巻3号608頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 労働経済旬報463号20頁 |
判決理由 | : | 〔労基法の基本原則―均等待遇―信条と均等待遇(レッドパージなど)〕 成立に争いのない甲第二号証に証人A、同Bの各証言及び申請人本人尋問の結果を綜合すれば、被申請人会社が、本件処分をなした理由は、被申請人会社が、申請人を共産主義もしくは社会主義思想の持主であると信じ、これを嫌悪したことにあるものと認めることができ、(中 略)。 してみれば、本件処分が被申請人会社主張のとおりの解雇処分であるとしても申請人の思想信条を理由としてなされたものであるから、労働基準法第三条に違反するものとして無効なものというべきである。 〔就業規則―意見聴取〕 本件就業規則作成にあたり、被申請人会社が、その従業員の過半数を代表する者の意見(当時被申請人会社においては労働組合が結成されていなかった)を聴取していたことを、認むべき証拠は全くない。従って本件就業規則は、労働者の過半数を代表する者の意見を聴かずに作成されたものであるから、その余の要件の有無を判断するまでもなくその効力を生ずるに由なきものというべきであり、かかる就業規則にもとづいてなされた本件処分もまた無効なものというべきである。 |