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ID番号 00051
事件名 解雇無効確認等請求控訴事件
いわゆる事件名 帝倉荷役事件
争点
事案概要  期間一ケ月の契約を反覆更新する日雇労務者が、解雇された後、正社員より長い土曜日の労働時間について時間外労働の賃金の権利を奪ったものとして、残業代金相当の損害賠償と慰謝料を請求した事例。(原審 請求棄却)
参照法条 労働基準法3条,89条
民法90条
体系項目 労基法の基本原則(民事) / 均等待遇 / 社会的身分と均等待遇
裁判年月日 1973年12月13日
裁判所名 東京高
裁判形式 判決
事件番号 昭和48年 (ネ) 653 
裁判結果 棄却(上告)
出典 時報731号95頁
審級関係 一審/東京地/昭48. 3.20/昭和47年(ワ)2358号
評釈論文
判決理由  控訴人が昭和四六年一月から一二月まで毎土曜日の午後三時まで就労したこと、当時被控訴会社とA労働組合との間の労働協定および、被控訴会社の「日雇労務者」就業規則によれば、土曜日の就労時間は正社員については正午までであるのに対し日雇労務者については午後三時までとされており、控訴人の前記土曜日午後の就労も右協定および、就業規則にもとづくものであることは当事者間に争いがない。
 控訴人は被控訴人が控訴人と正社員たる労務者との間に前記のような就労時間の差別を設けたことをもって社会的身分による不当な差別扱いであると主張する。
 控訴人の右主張は控訴人が正社員と同視すべき地位を有することを前提とする立論であるところ、控訴人被控訴人間の雇用関係は、本判決に引用した原判決理由において認定したとおり、常雇の正社員とは異なる臨時の有期雇用契約によるものであり、かかる臨時労務者について正社員と異なる就労時間を定めたとしても、その差異は上記労働契約の内容自体に基くものであって前述のような臨時的雇傭関係の性質上許容されるべきものということができ、右のような定めをした前示労働協定および就業規則がただちに憲法一四条、労働基準法三条にいう社会的身分による差別的取扱いをしたものということはできず、また民法九〇条にいう公序良俗に反するものということもできない。