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ID番号 00052
事件名 採用義務履行請求事件
いわゆる事件名 慶大医学部看護婦事件
争点
事案概要  大学医学部附属の看護婦養成を目的とする学校の生徒が、同医学部附属病院の看護婦として不採用の意思表示を受けたのに対し、生徒の一方的意思表示により看護婦として雇用される旨の合意ないし慣習法が存在したとして右病院の看護婦としての労働契約上の権利の確認等求めた事例。(請求棄却)
参照法条 民法623条
労働基準法3条
体系項目 労基法の基本原則(民事) / 均等待遇 / 雇い入れと均等待遇
裁判年月日 1971年5月31日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和43年 (ワ) 11752 
裁判結果 (控訴)
出典 労働民例集22巻3号576頁/時報636号84頁/タイムズ265号191頁
審級関係 控訴審/00055/東京高/昭50.12.22/昭和46年(ネ)1584号
評釈論文 山口浩一郎・判例タイムズ271号70頁/山口俊夫・季刊労働法81号99頁/倉内節子・労働法律旬報787号20頁
判決理由  労働基準法第三条の規定する労働条件には、雇用契約の締結すなわち労働者の雇入を含まないと解すべきである。けだし、使用者が労働者を公募する義務を負わないのに、刑罰(同法第一一九条第一項)によって雇入の均等待遇を強制されることは、使用者に酷であって均衡を失するからである。そうすると私人または私企業が労働者の信条を理由としてその雇入を拒否しても、それが法律に違反するが故に無効であるという結論は生じないし、ましてや逆に承諾があったということになる道理はないから、原告ら主張の労働契約締結の事実を確定するために、本件不採用の理由を論及することは無意味である。