ID番号 | : | 00109 |
事件名 | : | 各損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 大阪トヨタフォークリフト事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | トラックの持ち込みにより運送業務に従事していた者が、会社によって契約を破棄され、右の者所有のトラックを駐車、保管場所から無断で搬出、占有されたのに対し、右契約関係は雇用契約であり、その破棄は解雇にあたる等として解雇無効確認と右占有に関わる損害の賠償を求めた事例。(一部認容) |
参照法条 | : | 労働基準法9条,10条 民法1条3項 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 労働者 / 委任・請負と労働契約 |
裁判年月日 | : | 1984年6月29日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和56年 (ワ) 4457 昭和58年 (ワ) 2058 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | 労働判例434号30頁/労経速報1202号3頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 右(1)の各事実及び右(一)の事実によれば、被告が原告ら準社員と呼ばれていた者たちを、従業員とははっきり区別していながらも、出来るだけ原告の従業員と同様に扱い、特に、対外的には被告の社内の者であると見られるように、種々配慮していたことが認められ、かつ、原告が被告の仕事に従事する態様も、被告の配送指示に従って被告の仕事だけを継続して行なうものであり、右仕事に従事するにつきかなり細かい規定に縛られていたことが認められるから、原告の被告における右トラック運転の仕事は被告に従属する面が相当大きかった、といえる。 しかしながら、右(1)の各事実及び右(一)の事実によれば、他方では、右原告の仕事は、自己の所有トラックを使用し自己の雇用し給料を支払っている従業員を使い、独自の商号も使用し、経費等を自己負担のうえ、被告従業員の給料よりかなり高額の出来高制による支給金のみを受けていることが認められるのであって、これらの点からすれば、右被告への従属する面を考慮しても、右原告の仕事は、基本的には、自己の計算と責任で行なっている被告とは別個・独立の業務であるということができる。 そうであれば、右原告・被告間のトラック運送業務に関する契約関係は、雇用ではなく、請負である、というべきであり、これを将来に向けて消滅させる旨の被告の前記思意表示は、解雇ではなく、解約告知ということになる。 |