ID番号 | : | 00150 |
事件名 | : | 解雇予告手当等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 日本ビルサービス事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 職業安定所の紹介で採用面接に赴いた会社の従業員の指示で会社のテナントビル内を巡回した際、階段を踏みはずして転落負傷した応募者が、右負傷に関し右会社に労働者災害補償保険法に基づく休業補償給付手続を求めたが拒否されたため、休業補償相当の損害賠償金、解雇予告手当の支払等を求めた事例。(請求棄却) |
参照法条 | : | 労働基準法8条,2章 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 成立 |
裁判年月日 | : | 1983年12月20日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和57年 (ワ) 6873 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労経速報1187号5頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 一般に採用予定者が採用後に就く仕事内容について事前に説明を受け、実地に仕事を体験し、また、雇用主も、採用予定者との面接だけではなくして、実際の仕事振り等を見て最終的に採用・不採用を決定することは、従業員の採用手続において通常なされることであって、したがって、前記の如く原告がAの指示で被告の作業服を着用し、Bと共に、あるいは一人でCビル内を巡回したからといって、このことから直ちに原被告間の雇用関係が成立したとは言えず、却って、前掲2で認定の事実に加えて(人証略)を総合すると、Aが原告に対し作業服に着替えさせ、Bと一緒に右ビル内を巡回させたのは、原告が採用されるであろうことを前提として、原告面接のため被告代表者が出社してくるまでの間、事前に、原告に仕事内容を憶えてもらう意図であったことが窺われる。 以上検討したとおりとすると、前記1の認定事実をもって原被告間の雇用関係を認めるに未だ十分とはいえず、また、右雇用関係が成立した旨の主張に副う原告本人尋問の結果はにわかに採用し難いこと前記のとおりであって、他に原被告間に雇用関係が成立したと認めるに足りる証拠はない。 |