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ID番号 00165
事件名 解雇無効従業員地位確認等請求控訴、同附帯控訴事件
いわゆる事件名 森尾電機事件
争点
事案概要  採用内定の知らせを受けた労働者に対する内定取消の効力が争われた事例。
参照法条 労働基準法2章
体系項目 労働契約(民事) / 採用内定 / 法的性質
裁判年月日 1972年3月31日
裁判所名 東京高
裁判形式 判決
事件番号 昭和45年 (ネ) 3147 
昭和46年 (ネ) 2941 
裁判結果 一部変更(上告)
出典 労働民例集23巻2号149頁/時報662号30頁/タイムズ276号186頁
審級関係 一審/04211/東京地/昭45.11.30/昭和43年(ワ)4046号
評釈論文 吉川基道・月刊労働問題172号106頁
判決理由  右一および二に認定した各事実を総合して本件労働契約の成立の点を判断すれば、控訴人の「会社概要」の発行による社員の募集は契約申込の誘引と解すべきであり、これに対する被控訴人の一月一〇日の各書類の提出による受験申込が契約の申込となるものというべきである。
 そうして、控訴人から被控訴人にあてられた「採用決定のお知らせ」(乙第四号証)が右申込に対する承諾であって、本件のような経過をたどった場合は、これによって被控訴人が学校を卒業できないときは、被控訴人において解約し得ることとした労働契約の成立があったものと解すべきであり(被控訴人が学校を卒業したことは前示のとおり当事者間に争いがないので、右の点の解約権は本件では問題とならない)、昭和四二年一月二〇日に成立したものというべきである。すなわち、この日に控訴人の雇傭する意思と被控訴人の就労する意思との合致があって、契約が成立したものである。