ID番号 | : | 00172 |
事件名 | : | 地位確認等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 名古屋市水道局事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 職員採用試験に合格したことにより、地方公営企業職員に採用されたとして、その地位の確認等を求めた事例。(棄却) |
参照法条 | : | 労働基準法2章 地方公務員法17条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 採用内定 / 公務員 |
裁判年月日 | : | 1979年3月26日 |
裁判所名 | : | 名古屋地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和51年 (ワ) 2756 |
裁判結果 | : | (控訴) |
出典 | : | 労働民例集30巻2号478頁 |
審級関係 | : | 上告審/00148/最高一小/昭56. 6. 4/昭和55年(オ)827号 |
評釈論文 | : | 冨山茂貴・地方公務員月報195号43頁 |
判決理由 | : | 地方公務員法は地方公共団体の職員の任用行為の形式について特に規定を設けていないが、地方公務員の任用行為は地方公務員たる地位の設定、変更を目的とする重要な法律行為であるから、辞令書の交付又はこれに準ずる任命権者(本件の場合は水道局長、地方公営企業法九条第二号)による任用する旨の明確な意思表示の到達をもってその効力を生ずるものというべきである。 これを本件についてみるに、まず本件全証拠によるも原告に対して辞令書が交付された事実は認められない。 そして前記認定事実によれば、原告は本件採用試験に合格したことによって、合格した日から一年間有効の被告水道局職員の任用候補者たる資格を取得したにとどまり、右合格通知をもって被告の採用行為がなされたと解する余地はなく、また被告水道局では、当初本件採用試験合格者(一三名)中原告を含む七名の者全員を昭和五一年四月一日付で採用する予定であったことが窺われるが、同年三月二二日、原告に対して発せられた「水道局職員(計量職)の採用について」と題する書面(甲第四号証)はその記載内容に即して見れば、四月一日からの就労が可能かどうかを照会した連絡文書にすぎず、また、被告水道局が誓約書や身上申立書等の書類の提出を求め、同月二六日にこれを受領した行為も法的には最終的な採用行為のための事実上の準備行為と解せられ、これら文書の送付ないし受領行為をもって原告を採用する旨の明確な意思表示がなされたものとは未だ認め難い。 |