ID番号 | : | 00177 |
事件名 | : | 地位保全仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 山武ハネウェル計器事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 本採用拒否の理由として政治的信条によるものではないかが争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法3条 日本国憲法14条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 試用期間 / 本採用拒否・解雇 |
裁判年月日 | : | 1957年7月20日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和31年 (ヨ) 4058 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働民例集8巻4号390頁/時報120号25頁/ジュリスト138号85頁/労経速報250号15頁/労働法令通信10巻27号15頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 労働法律旬報286号9頁 |
判決理由 | : | 四、申請人不採用の決定的理由は、次の事情すなわち(イ)会社は従業員の試用採用に当って十分な調査もせず、「共産党の大物」が入社したらしいとの他社の者からの注意を得て、あわてて調査した結果申請人に目星をつけたこと、(ロ)申請人は計器の一部の組立に従事し、特に秘密の保持を要する職務に従事していたわけでないことなどの事情から推して考えると、機密の保持とか米国派遣の困難とかいうのは単なる口実に過ぎないものであって、その真意は、むしろ申請人の政治的信条を理由とするにあると認めるのが相当である。 従って、かかる措置は、憲法第十四条労働基準法第三条および会社は政治的信条などによる組合員を差別待遇しないことを確認するとの協約第三条に違反する違法の差別待遇というべきである。 |