ID番号 | : | 00178 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 栃木玩具事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 試用期間満了の際に本採用されなかったものが本採用拒否を解雇とし、右解雇の効力停止の仮処分を申請した事例。(申請認容) |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法623条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 試用期間 / 法的性質 |
裁判年月日 | : | 1959年10月6日 |
裁判所名 | : | 宇都宮地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和34年 (ヨ) 94 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集10巻5号827頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 秋田成就・ジュリスト209号87頁 |
判決理由 | : | そこで会社における見習工の地位について検討するに、疎明によれば会社就業規則第五条第一項には「六ケ月の試傭期間を経なければならない」旨の規定があるが、同条第二項には「試傭期間中業務に適しないと認められる時は採用を取消すことがある」旨規定され、試傭期間満了の際本採用の可否を決定するものではなく、期間中に採用を取消さない以上、当然に従前の雇用関係が継続されていく趣旨であることが認められ、又右期間を経過しても通勤、精勤等の手当の支給が増加するだけで、見習工と同じく日給制であり、労働協約にも見習工である故、他の従業員と異る待遇を受けるような何らの規定も存しない。従って、申請人等と会社との雇用契約は、それぞれ当初より期間の定めのないものであるが、当初の六ケ月間は会社において業務に適しないと認めるときは解雇することができるという解雇権留保の附款を定めたものというべきである。(前記就業規則第五条第二項に「採用の取消」というのは、労働契約の性質上将来に向って雇用契約の効力を失わしめるものと解するから、解雇の意思表示と異るところがない)従って、会社の申請人両名に対する前記通告は解雇の意思表示と認めるのが相当である。 |