ID番号 | : | 00266 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 大阪空気製作所事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 休憩時間が労働基準法三四条に違反するとして上司と衝突した原告が営業部への配置転換の業務命令を拒否したため解雇されたので、地位保全の仮処分を申請した事例。(申請却下) |
参照法条 | : | 労働基準法2章,34条1項 民法1条3項 |
体系項目 | : | 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令権の限界 休憩(民事) / 「休憩時間」の付与 / 休憩時間の不付与と自力救済 |
裁判年月日 | : | 1965年10月29日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和39年 (ヨ) 3880 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集16巻5号788頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 安屋和人・新版労働判例百選〔別冊ジュリスト13号〕98頁/三宅正男・新版労働判例百選〔別冊ジュリスト13号〕80頁/小沢征行・ジュリスト384号159頁 |
判決理由 | : | 〔配転・出向・転籍・派遣―配転命令権の限界〕 そうだとすれば、申請人の営業部への配置換えは、申請人の告訴事件が契機とはなっているが、実は被申請会社の業務上の必要に基づいた適法な措置であるということができ、その後申請人が右配置換えを拒み、最後まで営業部での新しい仕事に就こうとしなかったことも、正当な行為と評価することはできない。従って、以上に説明したような事情のもとでは、本件解雇の直接且つ実質的な理由はやはり申請人が右配置換えを拒み、新職務に就こうとしなかったことにあると認めるべきであり(被申請会社は本件解雇に際して解雇の理由を単に「業務上の都合により」と表現しているが、申請人の右のような所為は、普通解雇を定めた被申請会社の就業規則第五〇条が解雇事由として第一号「労働能率が著しく不良であつて、他の職場に転換することが不能のとき」第五号「業務上の都合によりやむを得ない事由のあるとき」を列挙したのをうけて、第六号「その他前各号に準ずるやむを得ない事由のあるとき」と規定としているから、少くとも右第六号に該当すると考えられる)、本件解雇若しくはその前の配置換えが労働基準法第一〇四条、第三条その他の条項に違反する旨の主張は、いずれも採用することができない。 〔休憩―「休憩時間」の付与―休憩時間の不付与と自力救済〕 しかも労働基準法第三四条は、使用者に対し労働時間の長さに応じて一定の休憩時間を労働時間の途中において与えなければならないことを規定しているに止どまり、具体的な個々の労働契約の休憩時間を定めたものではないから、被申請会社の休憩時間が同法に違反している場合、申請人としては使用者をしてこれを是正させるべきであり、それ以前に、自分だけが独自に適当な時期に適当な長さの休憩をとることは許されないというべく、この点からすればA係長の申請人に対する要求もあながち不当とはいえない。 |