ID番号 | : | 00315 |
事件名 | : | 地位保全仮処分命令申請控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | ラジオ関東事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 民間ラジオの女性アナウンサーが採用後一八年経過してアナウンス業務と関係のないキーパンチャーへの配転命令を受けたのに対し、右配転命令はアナウンス業務に職種を限定した労働契約に違反し無効であるとしてアナウンス業務に従事する地位の保全を求めた仮処分申請事件の控訴審。(一部変更、配転先での労働義務のない地位の確認のみ認容) |
参照法条 | : | 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令権の限界 |
裁判年月日 | : | 1983年5月25日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和56年 (ネ) 48 |
裁判結果 | : | 一部変更(確定) |
出典 | : | 労働民例集34巻3号441頁/時報1093号142頁/タイムズ498号206頁/労働判例411号36頁/労経速報1163号16頁 |
審級関係 | : | 一審/03277/東京地/昭55.12.25/昭和54年(ヨ)2312号 |
評釈論文 | : | 安枝英のぶ・季刊実務民事法5号246頁 |
判決理由 | : | 当裁判所は、被控訴人の本件仮処分の申請は、被控訴人が控訴人に対し、自動スポット編集装置の運用に関する事務に従事する労働契約上の義務を負わない地位にあることを仮に定めることを求める限度で理由があり、事案の性質上、被控訴人に保証を立てさせないで被控訴人の申請を右の限度で認容すべく、その余は失当(疎明に代わる保証を立てさせてこれを認容することも相当ではない。)として、これを却下すべきであると判断するものであって、その理由は、次に改め、加え、削るほかは原判決の理由(原判決二九枚目表二行目から四二枚目表二行目)と同一であるから、これを引用する。 (中 略) 現在においては、アナウンサーの業務としてアナウンスメントに密接に関連するその周辺業務(番組の企画、制作等に関する業務を含む。)すなわち、音楽選曲、番組企画、出演交渉、原稿・台本書き、録音テープの編集、取材活動及びその際における録音機、カメラ等の操作などの業務をも日常的に行っているアナウンサーが多いこと、会社においてもアナウンス業務に従事するほか、ディレクター業務にも従事しているアナウンサーがあることが一応認められるが、それだからといって更にその範囲を超え、アナウンスメントの業務にも、右に述べたようなアナウンスメントの周辺業務にも属しない業務に従事させることは、被控訴人と会社との間に締結された労働契約から逸脱した労働の態様の変更であるといわなければならない。 |