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ID番号 00458
事件名 解雇無効確認等請求事件
いわゆる事件名 東北電力事件
争点
事案概要  いわゆるレッド・パージで、会社の通告に従い退職願を提出、退職金等を受領した従業員ら、および右通告に応じず解雇され裁判所でその効力を争ったが後に和解により依頼退職した従業員らが、従業員たる地位確認等を請求した事例。(請求棄却)
参照法条 労働基準法2章,3条,10条
体系項目 労働契約(民事) / 労働契約の承継 / 営業譲渡
裁判年月日 1974年4月24日
裁判所名 仙台地
裁判形式 判決
事件番号 昭和29年 (ワ) 64 
昭和35年 (ワ) 236 
昭和35年 (ワ) 434 
昭和35年 (ワ) 441 
昭和35年 (ワ) 504 
裁判結果 棄却
出典 タイムズ319号264頁
審級関係
評釈論文
判決理由  前記認定のとおり、被告会社はA会社、B会社各社が発起人となって新たに設立された別会社であるから、会社合併におけるばあい(商法一〇三条)とは異なり、原告らのA会社、B会社との雇傭関係が当然に被告会社に承継されるものということはできず、右承継については関係法令の特別の規定ないし会社間の承継方法の定め等に従って行なわれるべきものと解すべきである。ところで被告会社設立に関する前記各法令には、右承継について特別の規定を見ることはできず、一方A会社、B会社各社作成の前記企業再編成計画書中「諸契約等の承継方法」の項には、原告ら主張のごとき次のような記載がある(この事実は当事者間に争いがない。)
 すなわち右に定める承継方法によれば、A会社、B会社各社が「解散時において現に有する一切の諸契約、協約、諒解事項その他の法律行為に基くすべての権利、義務及び法律上の地位は、当該会社において特別の意思表示をしない限り、全部新会社に承継される」こととなるのであって、A会社、B会社各社が原告らとの間に有する雇傭関係もまた右方法による承継の対象となることは、その文言に照らして明らかである。
 (中 略)
 右認定事実によれば、B会社各社と被告会社との間には、原告らを引き継ぎの対象から除外する旨の取り決めがなされたのであるから、A会社、B会社は被告会社に対し前記承継方法に定める承継除外の特別の意思表示をなしたものというべきである。しかして右特別の意思表示は、A会社、B会社から被告会社に対してなされるべきものであるから、目録第一、第三記載の原告らに対して右意思表示がなされなかったとしても、それは何ら承継除外の特別の意思表示の効力に影響を及ぼすものではないというべきである。
 (中 略)
 以上の次第であって、原告らのA会社、B会社各社との雇傭関係は被告会社に承継されなかったものであるから、原告らは被告会社の従業員たる地位を取得しなかったものといわなければならない。