ID番号 | : | 00467 |
事件名 | : | 退職金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 日本赤十字社事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 退職金債権の譲渡通知後に送達された右退職金債権に対する差押、転付命令に従い、譲受人とは別人に退職金相当額を支払った病院に対し、元病院職員が、右転付命令は譲渡通知後に送達された無効のものであるとして本人への退職金の支払等求めた事例。(退職金の支払にのみ認容) |
参照法条 | : | 労働基準法11条,23条,24条1項 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 金品の返還 賃金(民事) / 賃金の支払い原則 / 直接払・口座振込・賃金債権の譲渡 |
裁判年月日 | : | 1970年11月30日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和44年 (ワ) 7827 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働判例117号96頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約―金品の返還〕 本件退職金の支払時期については前記就業規則および退職給与金支給規程上別段の定めはないのであるから、被告は、原告から退職金支払の請求を受けた場合は七日以内に支払うことを義務づけられているものと解するを相当とする(労働基準法第二三条第一項)。 〔賃金―賃金の支払い原則―直接払・口座振込・賃金債権の譲渡〕 このように退職金の支給条件および支給内容が就業規則によって明確化されている場合、その退職金の法律上の性質は労働基準法第一一条にいう労働の対償としての賃金にあたるものというべきである。 したがって、原告が本件退職金債権を訴外A金庫に譲渡したことは上記のとおりであるけれども、労働基準法第二四条第一項本文の法意に鑑みると、譲受人たる右訴外金庫が直接被告に対して支払を請求することは許されないのであって、原告は、依然として本件退職金債権の取立権能を保有し、その取立に必要な一切の権利を自己の名で裁判上および裁判外において行使することができるものと解するを相当とする。 |