ID番号 | : | 00471 |
事件名 | : | 賃金債権確認等事件 |
いわゆる事件名 | : | 三友印刷事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 社内預金を合意解約による円満退職の時にのみ返還するとの合意の効力が労働基準法一八条二項との関連で争われた事例。(結論不明右論点については労基法違反とされたが、社内預金契約の他の部分については無効となるものではないとされた) |
参照法条 | : | 労働基準法18条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 強制貯金・社内預金 |
裁判年月日 | : | 1967年10月28日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和40年 (ワ) 10458 昭和41年 (ワ) 10076 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集18巻5号1067頁/タイムズ218号230頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 四、更に被告会社は本件預金は一応弁済期を五年後と定めてはあるが、実質上退職金の引当金とする関係から、期限が到来しても返還することなく契約を更新し、合意解約による円満退職の場合にのみ支払う約定であったから、原告らは期限到来の際は更に同一期間弁済期の伸長に応ずる義務があり、被告会社は原告らの円満退職に至るまで本件預金の返還義務はないと主張するので考えるに、労働基準法第一八条第五項は使用者は労働者が社内預金の返還を請求したときは遅滞なくこれを返還しなければならない旨を定めており、これに違反する契約条項は無効と解すべきであるから(なお、本件社内預金契約自体が労働基準法第一八条第二項に違反することは前記のとおりであるが、これによつて契約全体が無効になるとは解されない)、前記認定のような契約更新並びに円満退職の場合でなければ返還しないとの契約条項は無効であつて、被告会社はこれを理由に本件社内預金の返還を拒み得ないものと解せられ、従つてこの点の主張も亦採用できない。 |