ID番号 | : | 00475 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 共栄タクシー事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 時間外勤務は認めない等の勤務条件の変更に従わなかった原告の就労を被告会社が拒絶したことに対し、賃金支払の仮処分を求めた事例。(申請一部認容) |
参照法条 | : | 労働基準法15条 民法536条2項 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 労働条件の対等決定 解雇(民事) / 解雇事由 / 病気 |
裁判年月日 | : | 1965年6月22日 |
裁判所名 | : | 福井地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和40年 (ヨ) 104 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集16巻3号536頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労基法の基本原則―労働条件の対等決定〕 右の如き労働契約の内容を、使用者側において一方的に変更することは、労働契約のもつ契約概念自体の性格に照して許されず、新しい労働内容への変更は、必ず労使の合意によることを要するものと解すべきであるから、たとえ、それが、業務命令の名の下になされたとしても、実質的には労働契約の内容を変更するものである限り、申請人らに対し、変更後の勤務条件による就労義務を生ずるものではなく、申請人らは、依然として従来の勤務条件による就労を求めることができるものといわなければならない。 〔解雇―解雇事由―病気〕 会社が従来の勤務条件による申請人らの就労を拒否していることは、前認定のとおりであり、右就労拒否の目的は、申請人らの組織した組合に対する団交の拒否ないし団結力の弱体化にあると疑われても、止むをえないものといわなければならない。そうとすれば、右会社の就労拒否は、会社の責に帰すべき事由による労務受領の拒否と認める外はなく、申請人らは、民法第五三六条第二項により、従来の勤務条件に基づく賃金請求権を有するものというべきである。 |