ID番号 | : | 00598 |
事件名 | : | 仮処分控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 池貝鉄工所事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 経営危機の打開のための人員整理に対する労働者の仮処分申請事件の異議控訴事件。(労働者一部勝訴) |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 整理解雇 / 整理解雇基準・被解雇者選定の合理性 |
裁判年月日 | : | 1952年8月9日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和26年 (ネ) 1480 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集3巻4号327頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 成立に争のない甲第一号証の記載によると、右協約第二十四条には、「組合は、経営権が会社にあることを確認する。但し、会社は、経営の方針、人事の基準、組織及び職制の変更、資産の処分等経営の基本に関する事項については、再建協議会その他の方法により、組合又は連合会と協議決定する。前項の人事とは、従業員の採用、解雇、異動、休職、任免及びこれ等に関連する事項をいう。」と規定せられているから、解雇の要否、範囲、条件等は勿論、これ等を決定するに必要である経営方針についても協議決定さるべきことは疑を容れない。 (中 略) 会社の態度において自説を固執しすぎて、組合側を納得せしめる上において欠けるふしがないわけではないが、会社存続の合理化方策としての人員整理を前提としない組合側の献策も、第二次生産計画の失敗その他過去の実績に徴し、目前の会社の危機を打開する方策としては、早急にその実効を期し難いものがあるとも考えられるので、組合側としては、人員整理の基本線については一応これを譲歩し、進んで整理の範囲、整理基準等の協議に入るべきであったと思われる。かように考えると、会社が時日の遷延を許さずとして解雇を発表するに至つた前記態度をもって、あながち協約違反として咎め得ないものがあるといわなければならない。 |