ID番号 | : | 00645 |
事件名 | : | 地位保全仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 日本エタニットパイプ事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 子会社閉鎖にあたり、右が「やむを得ざる事由のため事業継続不可能となったとき」との労働協約、就業規則所定の解雇事由に該当するとして解雇された右子会社への出向従業員らが、右解雇の無効を主張して地位保全等求めた仮処分申請事件。(申請却下) |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法625条1項,1条3項 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 整理解雇 / 協議説得義務 |
裁判年月日 | : | 1983年7月22日 |
裁判所名 | : | 高松地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和57年 (ヨ) 278 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労経速報1162号9頁/労働判例414号48頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 会社と組合との間で締結されている労働協約第三条には「会社の解散、合併、分割、事業所の閉鎖、縮少、操短、休業等組合員の労働条件に重大な影響を及ぼす場合は、予め組合に内示、協議し了解を得るに努める。」旨のいわゆる協議条項が規定されていることは、当事者間に争いがない。 ところで、右規定の趣旨によれば、本件の如く会社がA社の閉鎖に伴い同社に出向している会社の従業員を解雇する場合はこれに該当し、有効に手続を進めるには会社と組合の双方が協議のうえ合意に達することまでは要しないが、かといって単に形式的に協議すれば足りるというものでもなく、労働法上の信義則からいって双方が誠意をもって十分協議を尽し、解雇を回避すべく努力することが必要であると解するのが相当であり、これに違反してなされた解雇は無効というべきである。 これを本件についてみるに、会社は昭和五七年八月二七日にA社の閉鎖を含む本件再建案を組合に内示提案して以来労使協議会、団交で延べ二四回にわたり組合との協議を重ねたが、この間会社は、会社及びA社の業績の推移、現在の経営状態、今後の展望等につき資料を示して具体的、詳細に説明し、組合の理解を求めたこと、これに対して、組合は、当初本件再建案の全面白紙撤回を要求し、交渉が進展しなかったので、会社は組合との円満解決を期すべく、希望退職者の募集期限を三度、A社の閉鎖時期を二度にわたってそれぞれ延期して協議を重ねた結果、労働条件の改訂及び希望退職の条件については譲歩をしたこと、A社の閉鎖については、組合提出の再建案を含め更に検討した結果、閉鎖はやむをえないという結論に達し、かつ、会社の経営状態はもはやこれ以上猶予できないという状況となってきたので、会社はA社の従業員について再度の希望退職者の募集及び従前の案に加えて配転募集を行い、これに応じなければ整理解雇することを予告したうえで同年一二月一五日同社を閉鎖すると同時に、右のいずれにも応じなかった債権者らを解雇したこと等前記認定の本件解雇に至る協議経過に照らせば、会社としては前記労働協約第三条に基づく協議義務を尽したものと認められる。 |