ID番号 | : | 00666 |
事件名 | : | 雇用契約関係存在確認請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 日本食塩事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 組合の統制に違反したとして除名されたためユニオンショップ協定に従って使用者により解雇された従業員が、除名の無効による解雇の無効を理由に、雇用契約関係の存在確認等求めた事件の控訴審。(控訴認容、労働者敗訴) |
参照法条 | : | 民法627条 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / ユニオンショップ協定と解雇 |
裁判年月日 | : | 1968年2月23日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和42年 (ネ) 551 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 高裁民集21巻1号96頁/労働民例集19巻1号134頁/東高民時報19巻2号33頁/タイムズ222号200頁 |
審級関係 | : | 上告審/00669/最高二小/昭50. 4.25/昭和43年(オ)499号 |
評釈論文 | : | 横井芳弘・労働法学研究会報770号1頁/水野勝・労働判例百選<第三版>〔別冊ジュリスト45号〕194頁/成富安信・労働経済判例速報654・655合併号32頁/清水一行・昭和43年度重要判例解説〔ジュリスト433号〕173頁 |
判決理由 | : | しかし控訴人は前示のとおり現に有効に存続している労働協約第五条のユニオン・ショップ協定により組合員たる資格を喪失した者を解雇すべき義務を負うているところからその義務の履行として、組合を除名された被控訴人を解雇したもので除名の有効無効は、解雇自体の効力とは本質的に何等の関係がないとみるべきであって被控訴人主張の如く解雇のときに遡って無効とする法理上の根拠を見出し難い。 元来使用者は解雇制限(労働基準法第十九条参照)ないしは労働協約に規制されている場合を除き解雇の自由を持っているものである。そして他方、ショップ制は組合の統制力強化にその目的が存するのであるから組合の自主性を尊重して、除名の有効、無効は本来使用者の調査すべき事項ではなく、手続的に正当な除名通知があれば使用者は解雇すれば足り、これによって生ずることあるべき危険負担(解雇された者の蒙る損害)は組合との間に決せらるべきもの(除名無効の訴ないしは損害賠償の訴等)と考えるのが相当である。 以上のように解するとき、仮に被控訴人主張の如き事由により除名が無効であるとするも、これにより当然本件解雇を無効となすを得ない。 |