ID番号 | : | 00678 |
事件名 | : | 従業員地位確認等請求上告事件 |
いわゆる事件名 | : | 清心会山本病院事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 組合大会、執行委員会を欠席したこと、組合の方針に反するビラおよび組合を批判するビラを配布したこと等を理由に組合から除名処分を受けた組合執行委員らが、ユニオンショップ協定に基づき会社により解雇されたのに対し、組合員および従業員たる地位の確認等求めた事例。(上告棄却、労働者勝訴) |
参照法条 | : | 民法1条3項,536条2項,627条 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / ユニオンショップ協定による解雇と賃金請求権 解雇(民事) / 解雇権の濫用 解雇(民事) / ユニオンショップ協定と解雇 |
裁判年月日 | : | 1984年3月29日 |
裁判所名 | : | 最高一小 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和55年 (オ) 1030 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労経速報1183号3頁/労働判例427号17頁/裁判集民141号461頁 |
審級関係 | : | 控訴審/00918/大阪高/昭55. 7.17/昭和53年(ネ)684号 |
評釈論文 | : | 安枝英のぶ・季刊実務民事法8号206頁/山口浩一郎・労働経済判例速報1220号18頁/新谷真人ほか・季刊労働法132号177頁/西谷敏・民商法雑誌91巻4号596頁 |
判決理由 | : | 〔賃金―賃金請求権の発生―ユニオンショップ協定による解雇と賃金請求権〕 労働組合から除名された労働者に対しユニオン・ショップ協定に基づく労働組合に対する義務の履行として使用者が行う解雇は右除名が無効な場合には他に解雇の合理性を裏づける特段の事由がない限り解雇権の濫用として無効であると解すべきことは、当裁判所の判例とするところであり(最高裁昭和四三年(オ)第四九九号同五〇年四月二五日第二小法廷判決・民集二九巻四号四五六頁)、いま、これを変更する必要をみないのであって、これによれば、原審の適法に確定した事実関係のもとにおいて、上告人の従業員で構成される労働組合による被上告人らに対する除名は無効であり、右労働組合との間のユニオン・ショップ協定に基づいて上告人がした被上告人らに対する解雇は他にその合理性を裏づける特段の事由もなく権利の濫用として無効であるとした原審の判断は、正当として是認することができ、原判決には、所論の違法はない。 〔解雇―解雇権の濫用・ユニオンショップ協定と解雇〕 本件ユニオン・ショップ協定に基づいて上告人がした被上告人らに対する解雇が権利の濫用として無効であることは前記のとおりであり、労務提供の受領拒否による被上告人らの労務提供の履行不能は債権者である上告人の責めに帰すべき事由に基づくものであって、被上告人らは反対給付としての賃金請求権を失わないものというべきであり、これと同旨に帰する原審の判断は正当として是認することができ、原判決には所論の違法はない。 |