ID番号 |
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00694 |
事件名 |
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仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 |
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トヨタモータース事件 |
争点 |
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事案概要 |
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会社社長の経営方針に反対するなど社長の感情を傷つけたこと等により就業規則の「不都合ナル行為アリタルトキ」に該当するとして解雇された労働者の解雇の効力停止の仮処分事件。(申請認容) |
参照法条 |
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労働基準法89条1項3号,93条 |
体系項目 |
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解雇(民事) / 解雇事由 / 就業規則所定の解雇事由の意義 |
裁判年月日 |
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1952年11月13日 |
裁判所名 |
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名古屋地 |
裁判形式 |
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決定 |
事件番号 |
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昭和27年 (ヨ) 611 |
裁判結果 |
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出典 |
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労働民例集3巻6号555頁 |
審級関係 |
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評釈論文 |
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判決理由 |
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申請人は国立A大学工学部出身で被申請人会社現場従業員中唯一人の大学出としてその技能に対し被申請人会社社長が期待していた程の成績は必ずしも挙げ得なかったこと、申請人が主任又は課長をしていた頃主任会議や課長会議の席上被申請人会社社長の経営方針に対し必ずしも全面的に賛成する態度を示さなかったこと、本件解雇の前日被申請会社社長が申請人に対し共産党に関係の有無について質問した際申請人は答える必要はないと拒否し社長の感情を傷つけるような態度があったこと並に本件解雇当時被申請人会社は所謂中小企業としての経営上特に生産の実績を挙げなければ他の同業者に立遅れるという情勢にあったことが窺われるけれどもこれらの事情は何れも未だ以てさきに説明した如き解雇を相当とする事由に該当するものとは考えられないしそのほかには右事由に該当するような具体的な事実についての疏明がない。従って本件解雇は被申請人が解雇事由として主張する被申請人会社従業員就業規則第三十五条第二、三号該当事実の疏明なきことに帰着する。そして就業規則の解雇基準に違反して為された解雇は労働基準法第九十三条の法意に照し無効と解するのほかない。 |