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ID番号 00739
事件名 地位確認等請求事件
いわゆる事件名 豊川学園事件
争点
事案概要  教員免許状を有しないにもかかわらず教員に採用されていた原告が、臨時教員免許状を取得する見込みが薄くなったとして懲戒解雇されたので、右解雇の無効を主張して地位確認と賃金支払を求めた事例。(一部認容)
参照法条 労働基準法89条1項9号
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 資格免許の未取得・取消
裁判年月日 1967年12月15日
裁判所名 名古屋地
裁判形式 判決
事件番号 昭和41年 (ワ) 713 
裁判結果 一部認容 一部棄却
出典 労働民例集18巻6号1188頁/時報510号69頁
審級関係
評釈論文 香川孝三・ジュリスト422号140頁/黒木三郎・教育判例百選166頁
判決理由  前記認定によれば、原告は被告学校に雇傭された後、本件解雇までの間約二年六ケ月臨時免許状を取得していないが、それは前記のとおり教務主任Aが事情を知らない原告に対し強く臨時免許状申請を催促せず、かえって「原告の都合のよい時に必要な書類を出してほしい」など誤った指示をしたことが主要な原因となっている。原告はAの指示に従い昭和四〇年五月頃から臨時免許状申請に必要な書類を取寄せ準備していたところ、同年六月一〇日頃、結核にかかり、入院したため手続が遅れ、退院後間もない同年九月一六日には必要書類全部をAに提出し臨時免許状申請手続を依頼したのであり、手続を急がなかったことに原告にも過失があるとしても、被告主張のように原告が契約に反し怠慢にも手続を怠ったため臨時免許状取得が遅れたとは認め難い。
 (中 略)
 監督官庁である愛知県総務部学事課も昭和三九年、四〇年当時は私立学校に対し無資格者を即刻排除せよという行政指導は行っておらず、かって基礎資格はあるが無免許のまま教壇に立っている教師が多い実情を考慮し、これをなくすため学校当局が極力当該教師に免許を取らせるよう指導通達していたことが認められる上、仮に被告主張のような行政指導があったとしても、原告は前記のとおり本件解雇当時臨時免許状取得に必要な書類を湯浅に提出しており、右申請により近い将来臨時免許状が授与される可能性もあったのであるからこれを理由に解雇することは許されるべきでない。