ID番号 | : | 00788 |
事件名 | : | 地位保全仮処分異議控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | ゼネラル石油精製事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 勤怠状況不良。沖縄返還に関する抗議行動への参加による逮捕、勾留等を理由に、就業規則に基づき解雇の意思表示を受け就労を拒否された従業員らが、雇用契約上の地位保全賃金仮払の仮処分の申請が認められた一審が取消された事例。 |
参照法条 | : | 民法1条3項,627条 労働基準法89条1項,3号,9号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 逮捕・拘留 |
裁判年月日 | : | 1974年10月25日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和49年 (ネ) 569 |
裁判結果 | : | 取消 却下(確定) |
出典 | : | 時報762号102頁/タイムズ319号163頁 |
審級関係 | : | 一審/横浜地川崎支/昭49. 2.26/昭和48年(モ)298号 |
評釈論文 | : | 中嶋士元也・ジュリスト625号135頁 |
判決理由 | : | 右当事者間に争いのないところおよび右認定するところによる本件就業規則中の休職に関する規定と退職(解雇)に関する規定との相互の関係から考えれば、同規則第七条第一項第二号は、傷病外の理由による従業員の欠勤が引続き一か月に達した場合に当該従業員を必要的に休職に付さなければならない趣旨ではなく、これを休職に付さない裁量が会社に許されるものと解されるから、控訴人が被控訴人らの欠勤について同規定を適用してこれを休職に付さなかったからといって、被控訴人らが主張するように就業規則適用の誤りをいうことはできない。 しかして、同規定による休職に付せられなかった場合において、当該従業員に懲戒事由が存するときには右就業規則第一一条第一項第四号による懲戒解雇がなされうると解されることは被控訴人らのいうとおりであるところ、同規則同条同項第五号の規定に従う会社の都合による解雇(この場合、《疎明略》によれば、同規則同条第二項により一か月前の解雇予告がなされるか、または平均賃金一か月分の解雇予告手当の支払がなされることになる)もまた、それが解雇権の濫用等の違法をきたさない限りなしうるものと解するのが本件就業規則の合理的理解というべきである。 前示のごとく、本件就業規則第七条第一項第二号の適用につき休職に付さない裁量が会社に許されるものと解すべき以上、同規則第一一条第一項第一号の規定は、右第七条第一項第二号により休職となった者が休職期間満了までに復職の命を受けなかったときに解雇されることを定めたにすぎないものであって、これらの規定の相互関係から考えても、右第七条第一項第二号の休職に関する規定が所定期間の欠勤により通常であれば解雇されるべき従業員について一定期間解雇を猶予するための制度を定めたものとは解されず、他にそのように解すべき根拠は見当らない。 (中 略) 以上判示の事実関係からすれば、控訴人の被控訴人らに対する本件解雇には相当の事由があるものということができて、解雇権の濫用をいうべき事実の疎明は十分でない。 |