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ID番号 00793
事件名 雇傭関係存続確認等請求控訴事件
いわゆる事件名 城右学園事件
争点
事案概要  私立高校の教員が、職務上の義務に違反したとして就業規則に基づき解雇されたので、雇用関係存続の確認等を請求した事例。(一審 請求棄却、当審 控訴棄却)
参照法条 労働基準法89条1項3号
民法1条3項
体系項目 解雇(民事) / 解雇権の濫用
裁判年月日 1975年12月16日
裁判所名 東京高
裁判形式 判決
事件番号 昭和47年 (ネ) 1758 
裁判結果 棄却(確定)
出典 時報807号94頁
審級関係 一審/東京地/昭47. 7. 4/昭和45年(ワ)7703号
評釈論文
判決理由  以上によれば、控訴人が(1)コース制を批判したこと。(2)五段階評価法によらない成績評価をしたこと。(3)生徒総会を混乱させたこと。(4)始業時間に関する指示を無視したこと。(5)清掃に関する生徒指導を阻害したこと。(6)下校に関する生徒指導を怠ったこと。(7)許可なく物品を購入したこと等の解雇理由はいずれも被控訴人学園の教師としての職務上の義務に違背するものということができる。もっともこれらの事由を個々的にみれば解雇の事由とするには乏しいと見られないではないが、私立学校にはそれなりの伝統校風・教育方針が存在するのであって、これらを承知の上雇傭関係に入ったものは学校の定める諸規則・教育方針に従うのは当然のことであり、自己の抱懐する教育観ないし教育方針に副わない点があれば正規の方法によりこれが検討是正を求めるのはかくべつこれを教育の場ないし自己の分掌外において実践することは許されないものといわなければならない。従って、前示控訴人の行為を総合すると、右は被控訴人の諸規則及び教育方針を敵視する態度の表現とみるべきであり、加うるに勤務状態不良の事実もあるので、控訴人は被控訴人学園の教師として不適格であり、且つ改善の見込もなく、また学園の統制上在職を許されないものと認められるから、被控訴人が就業規則第三三条、第三六条に該当するものとして、解雇予告手当として平均賃金三〇日分を提供してなした本件解雇は合理的な理由があり、有効であって、権利の濫用には当らないものといわなければならない。