ID番号 | : | 00816 |
事件名 | : | 雇用契約存続確認請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 新潟あさひタクシー事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 使用者がなした身体の故障を理由とする解雇につき、治癒しており右解雇は無効であるとして、雇用契約の存続の確認を求めた事例。 |
参照法条 | : | 民法1条3項 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 病気 |
裁判年月日 | : | 1979年12月24日 |
裁判所名 | : | 新潟地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和52年 (ワ) 372 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労法旬993号84頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 和田肇・ジュリスト729号140頁 |
判決理由 | : | 以上の事実によれば、原告はすでに恒常的に本態性高血圧症というべき状態にあり、その悪化した場合には眩暈、耳鳴り、たちくらみなどがあり、安静治療を要するものであり、かつ、昭和五二年二月二日から五六日間の欠勤にみられるとおり(ただし、そのことが直ちに規則第二四条第二号に定める解雇事由に該当するかどうかは暫く措く。)タクシー運転の業務にも支障をきたすことが明らかである。 そして、原告は、右欠勤前に日時を接近して大小二度の過失による事故を起こしており、これが右病気を原因とするか否かは明らかではないが、これは原告の運転手としての適格に少なからぬ疑問を抱かせるものといってよく、本件解雇直前の前記診断書によっても、原告は右病気により、なお安静治療を要するとされていたのであるから、被告において、本件解雇をするに至った時点において、右病気により突発的に重大な事故を起こすこともあることを危惧し、原告が右病気により運転業務に就業できない状態にあるものと判断したことには一応の理由があることも否めないところである。 しかしながら、原告が本件解雇日から再び出勤したうえ、従前どおりの運転業務に従事していること及び同年四月一四日付の診断書によれば原告の右病気も安定化し、服薬を継続することにより、正常な就業ができることが明らかであるから、これをもって直ちに被告の規則第二四条第二号に定める身体の故障のため被告の運転業務に耐えられないものとすることは早計といわざるをえない。 |