ID番号 | : | 00819 |
事件名 | : | 雇用関係不存在確認請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 社会保険新報社事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 市議会議員に当選したことにより勤務が不可能になったこと等を理由に解雇した労働者との間に雇用関係が存在しないことの確認を求めた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法7条 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 公民権行使 / 公民権行使と休職・解雇 |
裁判年月日 | : | 1980年3月7日 |
裁判所名 | : | 浦和地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和50年 (ワ) 481 昭和50年 (ワ) 645 |
裁判結果 | : | 本訴認容 反訴棄却(控訴) |
出典 | : | 労働民例集31巻2号287頁/労働判例337号34頁/労経速報1043号3頁 |
審級関係 | : | 控訴審/東京高/昭58. 4.26/昭和55年(ネ)619号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 使用者が、労働者が地方議会議員等の公職に就任したこと自体を解雇事由とすることは許されないが、右公職就任により著しく業務に支障を生ずる場合、或いは業務の支障の程度が著しいものでなくとも、他の事情と相俟って、社会通念上相当の事由があると認められる場合は、使用者のなす普通解雇は正当として許されると解するのが相当である。 これを本件についてみるに、前記検討したとおり、原告会社の人的態勢からみて、被告の市議会議員就任は、業務の運営等に支障があるものの、それが業務運営を著しく阻害する程度のものではないが、本件解雇時、被告の年令も六三才の高令に達し、原告会社の六〇才を超えた他の多くの従業員の退職年令とほぼ相当するものであるうえ、被告自身六〇才定年制を規定する原告会社の就業規則の改正作業に関与し、その就業規則が施行されることによって定年制が実施されることを予期する立場にあったこと、又本件解雇によって被告の収入が減少することは殆どなく、仮にあったとしても生計の維持を困難にするほどのものでないこと、その他被告の原告会社に採用された経過等の前記認定の事情を併せ綜合すると、原告会社のなした本件解雇は、社会通念に照らし、これを首肯するに足りる相当の理由があるというべきである。 |