ID番号 | : | 00890 |
事件名 | : | 解雇無効確認等請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 米極東空軍山田部隊事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 国から保安解雇された労働者が解雇を不当労働行為であり無効であるとして解雇無効確認、賃金の支払を請求した事例。一審が原告の請求をいれたため国が控訴していた。(原判決変更、実質労働者勝訴) |
参照法条 | : | 民法536条2項 労働基準法26条 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / 無効な解雇と賃金請求権 |
裁判年月日 | : | 1960年11月18日 |
裁判所名 | : | 福岡高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和34年 (ネ) 75 |
裁判結果 | : | 一部変更 一部棄却 |
出典 | : | 労働民例集11巻6号1317頁/時報251号28頁/訟務月報7巻2号438頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 不当解雇の被解雇者が労務の受領拒否により給付を免れた労働力を、他に転用して得た収入は、民法第五三六条第二項但書にいわゆる「自己の債務を免れたことにより得た利益」として、これを債権者たる使用者に償還すべきであり、この場合償還するというのは、労働者の受くべき反対給付たる賃金額から、これを控除すべきものと解するを相当とする。もっとも被解雇者が自己及び家族の生活維持のため、副業の程度においてなした労働による収入は、自己の債務を免れたことにより得た利益とはいわれないが、被控訴人の得た前記収入は、生協におけるその地位及び金額から見て、単に副業的なものとは考えられないから、当然本件賃金額からこれを控除すべきである。但し労働基準法第二六条が、休業の場合につき、平均賃金の少くも六割に相当する手当の支払を命じ、違反行為に対する罰則規定をもって、これを強制している趣旨に徴すれば、右別途収入による控除額は、労務者の平均賃金の四割を超ゆることを許さないものと解するを相当とする。 |