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ID番号 00892
事件名 貸金請求控訴事件
いわゆる事件名 第三慈久丸事件
争点
事案概要  控訴人が被控訴人(労働者)に対してその貸金の返済を請求した事例。被控訴人らは、労働基準法二七条に基づく保障給による相殺を主張。(控訴認容)
参照法条 労働基準法27条
体系項目 賃金(民事) / 出来高払いの保障給・歩合給
裁判年月日 1961年7月14日
裁判所名 金沢地
裁判形式 判決
事件番号 昭和35年 (レ) 49 
裁判結果 取消
出典 時報274号30頁
審級関係
評釈論文 小林一俊・労働経済旬報495号24頁
判決理由  労働基準法第二十七条によれば、「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」旨定められ、又同法第十三条によれば、「この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による」旨規定されているけれども、出来高払制その他の請負制で雇傭される労働者が右法条により、いわゆる保障給の支払を求め得るためには、当該使用者との間に労働時間に応じて一定額の賃金の支払を受ける旨の契約を締結していることが必要であつて、かような契約のない場合には、たとえ他の使用者に雇傭されている同種の労働者が一定額の保障給を支給されているとしても、その支払を求めることはできないものと解するのが相当である。