ID番号 | : | 00940 |
事件名 | : | 債権差押命令に対する執行抗告事件 |
いわゆる事件名 | : | いずみの会事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 保育園を運営する社会福祉法人たる抗告人がその職員に期末手当等を支給しなかったため、右手当請求権を被担保債権とする一般先取特権に基づき市を第三債務者とする債権差押命令の申立がなされその申立が認められたので執行抗告がなされた事例(抗告棄却)。 |
参照法条 | : | 労働基準法11条 民法92条 労働基準法93条 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賃金の範囲 就業規則(民事) / 就業規則の法的性質・意義・就業規則の成立 |
裁判年月日 | : | 1985年2月26日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和60年 (ラ) 59 昭和60年 (ラ) 60 昭和60年 (ラ) 62 67 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 時報1149号161頁/タイムズ554号171頁/労働判例454号59頁 |
審級関係 | : | 一審/東京地八王子支/昭59.12.28/昭和59年(ナ)1501号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔就業規則-就業規則の法的性質〕 右事実によれば、抗告人における手当に関する就業規則は、労働条件を定型的に定めたものであり、使用者と職員との間の労働条件はその就業規則によるという事実たる慣習によって個々の労働契約の内容となり、被告人と相手方らとを拘束するものというべきである。 〔賃金-賃金の範囲〕 以上の事実によれば、抗告人における期末、勤勉手当は、抗告人の恩恵による給付ではなく、抗告人が職員に対し労働の対価として支払を義務づけられた賃金の一種であり、そのうちの一部が抗告人の査定に服すべきものであるとしても、抗告人は慣行的に右査定権を行使しないこととしていたのであるから、その支給対象期間中勤務した職員は、就業規則所定の支給率による期末、勤勉手当請求権を取得するものと認めるのが相当である。ところで、期末、勤勉手当の支給対象期間についてこれを定めた特段の資料は見当らないから、前記認定の支給時期に照らし、毎年六月に支給される分は当年四月から六月までを、一二月に支給される分は七月から一二月までを、三月に支給される分は一月から三月までをそれぞれ対象期間とするものと認めるのが相当である。 |