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ID番号 00943
事件名 建物明渡請求(本訴)および雇用関係確認請求(反訴)事件
いわゆる事件名 三井鉱山事件
争点
事案概要  退職した社宅居住者に対する明渡請求事件において、その使用関係を決するうえで、社宅の無償供与が賃金の一部であり有償であると主張された事例。(否定)
参照法条 労働基準法11条
体系項目 賃金(民事) / 賃金の範囲
裁判年月日 1964年5月19日
裁判所名 熊本地玉名支
裁判形式 判決
事件番号 昭和36年 (ワ) 75 
昭和36年 (ワ) 76 
昭和36年 (ワ) 78 
昭和36年 (ワ) 81 
昭和36年 (ワ) 89 
裁判結果
出典 労働民例集15巻3号552頁
審級関係
評釈論文
判決理由  次に被告等訴訟代理人は、原告会社が社宅の非居住者に対し住宅手当を支給していることから推して本件社宅の供与は賃金の一部であり有償であると主張するので検討してみると、証人Aの証言によれば原告会社はその従業員中社宅に入居していない者に対し毎月一定の住宅手当(名称は通勤手当)(昭和三〇年七月二〇日の団体交渉で借家に居住する者六〇〇円、自宅に居住する者四〇〇円、同三二年一二月の団交で借家一、〇〇〇円自宅七〇〇円、昭和三四年一月の第一次合理化による四月六日協定で借家四〇〇円、自宅三〇〇円となる)を支給していることが認められるが、右住宅手当は(イ)自宅居住者と借家居住者によって支給額が異なること、(ロ)従業員の賃金とは別個に増減されていること及び原告会社が社宅を供与する目的等より推して原告会社が社宅に入居している者と入居していないものとの福利の均等を計るため支給しているものとみるべきで之をもって賃金の一部(労働の対価)として支給しているものと認むべきではない。従って本件社宅の供与も亦入居者に対する賃金の一部として原告会社が供与しているものとは認められない。