ID番号 | : | 00994 |
事件名 | : | 賃金支払等仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 宇部興産事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 組合が就労の申入れをなしている場合においてなされたロックアウトに関連して賃金支払の仮処分が申請された事例。(申請却下) |
参照法条 | : | 民法413条 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / ロックアウトと賃金請求権 |
裁判年月日 | : | 1951年5月7日 |
裁判所名 | : | 山口地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和25年 (ヨ) 22 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集2巻3号247頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 正当な作業所閉鎖中の賃金請求権の有無について判断すると、作業所閉鎖はストライキと同様の結果を使用者からの働きかけで招来せんとするもので、それは労働者の要求を圧えるため、労働者に賃金を支払わないことによって圧迫を加える反面、使用者も経営の一時的停止もしくは減縮により甚大な損失を蒙ることを覚悟して行う争議行為であって、それが社会的に権利として認められている限りにおいて、工場より閉め出された労働者に対し、閉鎖期間中の賃金支払義務を負わないことは事理の当然であり、このことはまた双務契約上の信義則或いは労使したがって争議対等の原則からも承認せらるべき当然の帰結である。したがって、前段認定の如く、就労の申入れがあろうと、またたとえ当事者間の賃金契約が月給制であろうと、年俸制であろうと、正当な争議行為としての作業所閉鎖中は被申請会社に労務の受領遅滞の責任はない。 |