ID番号 | : | 01013 |
事件名 | : | 賃金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 東洋オーチス・エレベータ事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | ストライキによる不就労に対して、賞与協定における欠勤控除条項「欠勤一日につき一率分賞与の一五〇分の一をカットする」旨の規定に基づいて、賃金カットがなされたことを不当としてカット分の賃金を請求した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法24条1項 民法624条 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / 争議行為・組合活動と賃金請求権 |
裁判年月日 | : | 1973年12月18日 |
裁判所名 | : | 最高三小 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和44年 (オ) 489 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 裁判集民110号715頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 本件各賞与協定に欠勤控除条項として「欠勤一日につき一率分賞与の一五〇分の一を控除する(遅刻、早退は三回をもって欠勤一日とする)。」旨の定めがあることは、当事者間に争いがないところであり、右欠勤控除条項中の「欠勤」の用語はストライキによる不就労の場合を含むとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯することができ、その過程に所論の違法は認められない。 本件賞与債権は、本件各賞与協定に定められた要件の下に、具体的な債権として発生するのであり、右協定中の欠勤控除条項は、その消極的要件を規定したものであって、右条項に該当する場合には、その限りにおいて、賞与債権自体が発生しないとする原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らして正当として是認することができ、原判決に所論の違法は認められない。論旨は、右控除規定が労働基準法二四条一項但書にいう協定に該当するとの独自の見解に立って原判決を非難するものであって、採用することができない。 原判決の確定した事実関係のもとにおいて、本件各賞与協定中の欠勤控除条項にしたがい、ストライキによる不就労の日数に応じて賞与からの控除をすることは、なんら労働組合法七条一号に違反するものではない。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。 |