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ID番号 01016
事件名 賃金請求事件
いわゆる事件名 丸島水門事件
争点
事案概要  賃上げ闘争に関連して、会社からロックアウトを通告され就労を拒否された組合員らが、ロックアウト期間中の賃金の支払を請求した事例。(当審 上告棄却、請求棄却)
参照法条 民法624条
労働基準法3章
体系項目 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / ロックアウトと賃金請求権
裁判年月日 1975年4月25日
裁判所名 最高三小
裁判形式 判決
事件番号 昭和44年 (オ) 1256 
裁判結果 棄却
出典 民集29巻4号481頁/時報777号15頁/タイムズ321号47頁/裁判集民114号579頁
審級関係 控訴審/01007/大阪高/昭44. 9.19/昭和39年(ネ)776号
評釈論文 SHE・時の法令905号56頁/阿久沢亀夫・労働法の判例〔ジュリスト増刊〕221頁/安西愈・公企労研究23号110頁/臼井滋夫・法律のひろば28巻8号56頁/下井隆史・民商法雑誌74巻1号120頁/角田邦重・季刊労働法97号15頁/角田邦重・労働判例227号4頁/角田邦重・労働判例百選<第四版>〔別冊ジュリスト72号〕224頁/岸井貞男・ジュリスト594号90頁/岸井貞男・判例評論198号34頁/久保敬治・昭和50年度重要判例解説〔ジュリスト615号〕173頁/宮島尚史・労働経済旬報962号11頁/中嶋士元也・判例タイムズ326号60頁
判決理由  労働者の提出する労務の受領を集団的に拒否するいわゆるロックアウト(作業所閉鎖)は、使用者の争議行為の一態様として行われるものであるから、それが正当な争議行為として是認されるかどうか、換言すれば、使用者が一般市民法による制約から離れて右のような労務の受領拒否をすることができるかどうかも、右に述べたところに従い、個々の具体的な労働争議における労使間の交渉態度、経過、組合側の争議行為の態様、それによって使用者側の受ける打撃の程度等に関する具体的諸事情に照らし、衡平の見地から見て労働者側の争議行為に対する対抗防衛手段として相当と認められるかどうかによってこれを決すべく、このような相当性を認めうる場合には、使用者は、正当な争議行為をしたものとして、右ロックアウト期間中における対象労働者に対する個別的労働契約上の賃金支払義務をまぬかれるものといわなければならない。
 前記二のような見地からすれば、前記三のような具体的事情のもとにおいてされた本件ロックアウトは、衡平の見地からみて、労働者側の争議行為に対する対抗防衛手段として相当であると認めることができる。