ID番号 | : | 01057 |
事件名 | : | 賃金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | ヤマト科学事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 会社によって一時金の支給日前に懲戒解雇され、右一時金の支給を受けなかった従業員らが、一時金は支給対象期間中労務の提供をした割合に応じ支払われるべきであり、その旨の労働慣行もあったとして右一時金の支払を求めた事例。(請求棄却) |
参照法条 | : | 労働基準法24条 民法624条 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賞与・ボーナス・一時金 / 賞与請求権 |
裁判年月日 | : | 1983年4月20日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和56年 (ワ) 14706 |
裁判結果 | : | 棄却(控訴) |
出典 | : | 労経速報1150号3頁/労働判例407号17頁 |
審級関係 | : | 控訴審/01059/東京高/昭59. 9.27/昭和58年(ネ)1181号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 前記争いのない事実及び認定の事実によれば、被告会社においては、一時金の支給に関して、一時金は支給の都度細部を決めて支給するとの規定があるだけで、右のほかには一切就業規則がなく、支給の都度、組合との協定により細部を定めて一時金の支給をしてきたものであって、その一時金の法的性格がどのようなものであるかはさておき、原告らに具体的な一時金請求権ありとするためには、原則として所属組合と被告会社間で協定(又は原告らと被告会社間での合意)がなされ、その細目についての約定がなされる必要があり、そのような細目についての約定がなされない限り、それは原則として抽象的な一時金請求権ともいうべきものにとどまるものというべきである。 したがって、細目についての約定がなされていないにもかかわらず、具体的な一時金請求権があるというためには、各期に支払われる一時金の額について確立された労働慣行があるか、又は具体的な一時金額を算定しうる基準について確立された労働慣行があるなど、特段の事情のあることが主張、立証されなければならないものというべきである。 (中 略) 具体的な請求権となりうるような確立された労働慣行を認めるに足りる証拠はない。 (中 略) 原告ら懲戒解雇者は本件労働協約によって定められた昭和五四年度夏季一時金の支給対象者には含まれていないというのほかはない。 |