判決理由 |
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申請人らを含む退職者で結成しているA同盟と被申請人との間に昭和三七年一一月三日退職金の支払時期、方法等につき定めた成立に争いのない疏甲第九、一〇号証(疏乙第二、三号証)の協定書記載の協定(以下「一一月三日」協定ともいう)が成立し、それには右同盟員全員につき「右協定成立後三日以内に退職金の内払として一人当り金二七、〇〇〇円を支払う」旨及び「昭和三八年一月末より一ケ月金五〇〇万円の枠内で概ね未払退職金額に比例し分割支払うものとする」旨の定がなされており、既にその趣旨に則り申請人らに対し右金二七、〇〇〇円と昭和三八年一月から同年三月までの分割金の支払いがあったことも又当事者間に争いのないところである。申請人らはこの点につき右協定は被申請人が昭和三八年四月以降分割金の支払いをしなかったから当然に失効した旨主張し且つ被申請人に右主張のような不履行の事実のあったことは当事者間に争いのないところであるけれども、いやしくも一旦有効に成立した協定である以上、単にその一方当事者に不履行の事実があったからといってそのことのみによりその協定が効力を失うとすべきいわれはないから、申請人らの右主張は採用の限りでない。 |