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ID番号 01074
事件名 破産債権優先権確認請求事件
いわゆる事件名 江戸川製作所事件
争点
事案概要  会社の破産宣告前に退職した従業員らが、会社破産管財人によって、その退職金債権を債権目録上一般債権として取り扱われたのに対し、退職金債権全部について一般の先取特権を有することの確認を求めた事例。(上告棄却、退職金債権の一部につき認容)
参照法条 民法306条,308条
体系項目 賃金(民事) / 退職金 / 破産と退職金
裁判年月日 1969年9月2日
裁判所名 最高三小
裁判形式 判決
事件番号 昭和43年 (オ) 1095 
裁判結果 棄却
出典 民集23巻9号1641頁/時報572号22頁/タイムズ240号135頁/金融商事186号8頁/裁判集民96号459頁
審級関係 控訴審/東京高/昭43. 7.19/昭和43年(ネ)414号
評釈論文 香川孝三・ジュリスト453号160頁/山崎寛・民商法雑誌62巻6号1035頁/山本忠美・経営法曹会議編・最高裁労働判例1巻443頁/千種秀夫・法曹時報22巻2号184頁/大隅健一郎・色川,石川編・最高裁労働判例批評〔2〕民事編429頁
判決理由  本件破産会社の退職金支給基準およびこれに基づく退職金の支払状況について原審の確定した諸般の事情のもとにおいては、被上告人らの本件破産会社に対する退職金債権が給料の後払の性格をもつものであるとする原審の判断は正当であり、そうである以上、右のうち最後の六ケ月間の給料相当額について一般の先取特権があるとした原審の判断は相当である。けだし、民法三〇六条、三〇八条が雇人の給料について一般の先取特権を認めたのは、賃金保護という社会政策的考慮に出たものであり、右三〇八条がその範囲を最後の六ケ月間の給料に限ったのは他の債権との均衡を考慮したものであるから、賃金の性格をもつ退職金については、これに一般の先取特権を認めることが右立法の趣旨にも合致するものというべく、他方、他の債権との均衡上、その先取特権の認められる退職金の範囲も右民法の規定の定めている賃金の額に達するまでのものに限ると解するのが相当だからである。