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ID番号 01084
事件名 退職金請求控訴事件
いわゆる事件名 日本オーチス・エレベータ事件
争点
事案概要  退職金算定の基礎に臨時工として勤務した期間を勤続年数に加えることを求めた事例。(控訴棄却)
参照法条 労働基準法11条
民法624条
体系項目 賃金(民事) / 退職金 / 退職金請求権および支給規程の解釈・計算
裁判年月日 1979年7月27日
裁判所名 東京高
裁判形式 判決
事件番号 昭和52年 (ネ) 3194 
裁判結果 棄却
出典 労経速報1035号20頁
審級関係 一審/東京地/昭52.12.16/昭和52年(ワ)8215号
評釈論文
判決理由  右控訴本人尋問の結果中には、控訴人が臨時工として働いていた当時と正社員となった後とで仕事の内容は全く同じであったとの部分があるが、仮に仕事の内容に大差がなかったとしても、そのことをもって、直ちに臨時工当時の身分を正社員とみるべきであるということにはならない。控訴人は臨時工・正社員の期間を通じて労働条件について全く変化がなかったと主張するが、(書証略)によれば、その受領した給与の計算方法、内容において全く相違していることは明らかであるから、その余の点について判断するまでもなく、右主張は理由がない。その他控訴人が昭和三一年四月一六日実質的には正社員として被控訴会社に採用されたものであるとの主張については、これを認めるに足りる証拠はない。従って、控訴人は昭和三一年四月一六日被控訴会社の正社員に採用されたものであるということができない。
 控訴代理人の本判決事実欄一に記載した主張は、控訴人が昭和三一年四月一六日臨時工として採用されたものであるとしても、労働契約の反覆更新、仕事の内容の同一性、正社員への登用の方法等からみて、期間の定めのある臨時工としての雇傭契約は期間の定めのない正社員としての労働契約に変化し、その正社員としての労働契約は昭和三一年四月一六日に遡って効力を生じたものと主張するものとも考えられるが、適法な期間の定めある臨時工としての労働契約が特段の法的根拠なしに期間の定めない正社員としての労働契約に変化するものとはいえないところ、右特段の法的根拠とする右控訴代理人の主張及びこれに対する立証によっては、いまだ右契約の変化を認めることができない。また、控訴人が原審で主張した最高裁判所昭和四九年七月二二日第一小法廷判決・民集二八巻五号九二七頁の趣旨をもってしても(従来繰返し継続雇傭されてきた臨時工に対する傭止めについては解雇に関する法理を類推すべきものとしても)、その臨時工の退職金につき正社員と同視すべきものとはいえない。