ID番号 | : | 01105 |
事件名 | : | 退職金支払請求控訴事件/損害賠償申立事件 |
いわゆる事件名 | : | 香港上海銀行事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 就業規則に退職金の支給は支給時の退職金協定によると定められていたところ被控訴人が属した少数派組合との協定が失効していたため被控訴人が余後効を主張して失効した協定の基準による退職金の支払を求めた事例(一審一部認容、控訴一部認容)。 |
参照法条 | : | 労働基準法11条 労働基準法89条1項3の2号 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 退職金 / 退職金請求権および支給規程の解釈・計算 |
裁判年月日 | : | 1985年2月6日 |
裁判所名 | : | 大阪高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和58年 (ネ) 639 昭和59年 (ネ) 1720 |
裁判結果 | : | 一部変更(上告) |
出典 | : | 労働民例集36巻1号35頁/労働判例462号142頁/労経速報1244号22頁 |
審級関係 | : | 一審/01091/大阪地/昭58. 3.28/昭和56年(ワ)4373号 |
評釈論文 | : | 諏訪康雄・ジュリスト883号100~103頁1987年5月1日/名古道功・労働法律旬報1153号29~37頁1986年10月10日 |
判決理由 | : | 2 被控訴人は又、昭和五九年七月二五日に控訴人と従業員組合との間で締結された昭和五五年度退職金協定は、既に同五五年六月三〇日に発生した被控訴人の退職金請求権に対し遡及して影響を及ぼさないと主張する。 しかし、被控訴人主張の日を退職日とすることに合意したとはいえ、被控訴人がその後昭和五八年六月三〇日まで控訴人の従業員たる身分を有していたことは、前記認定のとおりであり、形式的に賃金又は、退職金請求権が発生していても、具体的金額が未定である場合に後の労働協約によりその金額を協定し、過去に遡って適用することは何ら妨げられるべき理由はなく、(証拠略)によれば、控訴人と従業員組合との間では勿論のこと、控訴人とA労働組合との間においても、従来各年度の賃金、ボーナス協定においてほとんど常に遡及適用をしており、被控訴人の賃金については昭和五八年度まで遡及適用していたことが明らかであり、その内容において賃金の後払いと異ならない退職金について取扱いを異にすべき理由は全く存しない。 |