ID番号 |
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01133 |
事件名 |
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執行異議事件 |
いわゆる事件名 |
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伊予相互金融事件 |
争点 |
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事案概要 |
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従業員の退職前に譲渡された一部退職金債権に基づく差押えもしくは仮差押えに対し、会社側が、右債権部分につき執行力の排除を求めた事例。(上告棄却、会社側敗訴) |
参照法条 |
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労働基準法24条1項 |
体系項目 |
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賃金(民事) / 賃金の支払い原則 / 直接払・口座振込・賃金債権の譲渡 |
裁判年月日 |
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1968年5月28日 |
裁判所名 |
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最高三小 |
裁判形式 |
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判決 |
事件番号 |
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昭和42年 (オ) 511 |
裁判結果 |
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棄却 |
出典 |
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時報519号89頁/金融法務516号28頁/金融商事112号7頁/裁判集民91号133頁 |
審級関係 |
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控訴審/高松高/昭42. 1.17/昭和41年(ネ)209号 |
評釈論文 |
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花見忠・色川,石川編・最高裁労働判例批評〔2〕民事編407頁/池田直視・昭和43年度重要判例解説〔ジュリスト433号〕176頁 |
判決理由 |
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論旨は、原判決が憲法二五条一項もしくは同法二七条二項に違反するというが、その実質は、要するに、本件退職金債権の譲渡を有効と認めた点において原判決に労働基準法二四条の解釈適用を誤った違法があるというに帰する。そして、原審の確定した事実関係のもとにおいては、本件退職金は、労働基準法一一条にいう労働の対償としての賃金に該当するものというべきであるから、その支払については、性質の許すかぎり、同法二四条一項本文の定めるいわゆる直接払の原則が適用されるものと解するのが相当である。しかし、退職金債権の譲渡を禁ずる規定はなく、また、本件退職金債権についてその譲渡を禁ずる旨の特約があったことは原審の認定しないところであるから、退職予定者たる訴外Aが本件退職金債権を被上告人に譲渡したことを目して無効とすることはできないものというべきである |