ID番号 | : | 01151 |
事件名 | : | 仮処分控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 第一小型ハイヤー事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 無断欠勤等を理由に懲戒解雇された組合委員長および違法争議行為を企画、指導、実行したとして懲戒解雇された組合執行委員らが、右懲戒解雇は不当労働行為に当り無効であるとして地位保全等求めた仮処分申請事件の控訴審。(双方の控訴棄却、地位保全と減額された賃金仮払のみ認容) |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号,9号 民法1条2項,627条 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇の承認・失効 |
裁判年月日 | : | 1970年10月5日 |
裁判所名 | : | 札幌高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和42年 (ネ) 49 昭和42年 (ネ) 59 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集21巻5号1303頁 |
審級関係 | : | 一審/00657/札幌地/昭42. 3. 7/昭和39年(ヨ)50号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | そもそも生活保護法は、各個人が自己の財産、権利、能力等を最大限に活用して自己の生活を維持すべしとする資本主義体制の上に座を占めていることと、いわゆる濫救の弊を避ける目的のもとに、いわゆる「保護の補足性」という原則を打ち立て、その第四条において、現実に生活に困窮している者についても、その者がその利用しうる資産、能力その他あらゆるものを、最低生活維持のために活用することを、要保護者たることの資格要件としている。右にいわゆる資産の中には金銭債権をも含むことは当然であるから、金銭債権を有する者は、まずその回復をはかり、その実現されない場合にはじめて同法による保護を受くべきもので、生活保護を受けているから権利の回復をはかる必要がないとするのは、事の先後をあやまるものということができる。のみならず、債権者が生活保護を受けていることを理由に、債務者が債務の弁済を一時的にもせよ免れるということは、債務者を不当に利得せしめる結果ともなる。それゆえ、金員仮払いの仮処分を命ずる緊急の必要性があるか否かの判断にあたっては、債権者が生活保護を受けているか否かを顧慮すべきものではない。 |