ID番号 | : | 01188 |
事件名 | : | 雇用関係確認請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 日野自動車事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 多数回の遅刻等を理由として使用者がなした懲戒解雇につき、労働時間内に職場に到達しており右解雇は無効であるとして雇用関係存続の確認を求めた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法32条,89条1項9号 |
体系項目 | : | 労働時間(民事) / 労働時間の概念 / 着替え、保護具・保護帽の着脱 労働時間(民事) / 労働時間の概念 / 歩行時間 |
裁判年月日 | : | 1981年7月16日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和55年 (ネ) 1773 |
裁判結果 | : | (上告) |
出典 | : | 労働民例集32巻3・4合併号437頁/東高民時報32巻7号170頁/労経速報1111号10頁 |
審級関係 | : | 上告審/01194/最高一小/昭59.10.18/昭和56年(オ)1007号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 一般に労働基準法第三二条の「労働時間」とは、労働者が使用者の指揮、命令の下に拘束されている時間をいうものと解されている。ところで、労働者が現実に労働力を提供する始業時刻の前段階である入門後職場到着までの歩行に要する時間や作業服、作業靴への着替え履替えの所要時間をも労働時間に含めるべきか否かは、就業規則や職場慣行等によってこれを決するのが相当であると考えられる。 けだし、入門後職場までの歩行や着替え履替えは、それが作業開始に不可欠のものであるとしても、労働力提供のための準備行為であって、労働力の提供そのものではないのみならず、特段の事情のない限り使用者の直接の支配下においてなされるわけではないから、これを一率に労働時間に含めることは使用者の不当の犠牲を強いることになって相当とはいい難く、結局これをも労働時間に含めるか否かは、就業規則にその定めがあればこれに従い、その定めがない場合には職場慣行によってこれを決するのが最も妥当であると考えられるからである。 |